コンプレックス

 

 

 

 

誰しも自分の容姿に、納得いかない部分はあるし

 

 

いっそのこと修正してしまおう、と整形を考えるひともいるが

 

 

 

整形病院には行ってはいけない。

 

 

彼らの口には車がついている。

 

 

 

 

コンプレックスというものは、なにも悪い方にだけ作用するものではなくて

 

 

世の中はそのコンプレックスがあったことで

 

 

幸いしたという話はたくさんある。

 

 

 

自分ではコンプレックスだと思い込んでいた点も

 

 

そもそも他人は誰一人 気にしていない場合が多いし、

 

 

君のその、目が、鼻が、口が、顔が好きなんだと

 

 

本気でそう思って言い続けてくれる人は必ずいる。

 

 

 

欧米人の顔立ちが美しいと言うひとは多いが

 

簡素、素朴の領域なら、西洋が逆立ちしたって、東洋にかなうわけがない。

 

 

 

 

私なんか、軽い気持ちでボクシングをたしなんだため

 

 

目の上が腫れてしまって、そこだけ重力が強いのかな、と思うくらい瞼(まぶた)が垂れた。

 

 

そのため目つきが悪い。

 

 

主張の強い 大きな鼻もコンプレックス。

 

 

おまけに無愛想なところがあるため(これは私が悪い)、第一印象はよく勘違いされることがあった。

 

 

 

黙っているだけなのに、なんだその横着な態度は、と囲まれたり、

 

 

考え事をしていると、不機嫌に思われて距離を置かれたり、

 

 

授業を受けているのに、起きなさい、と頭を叩かれたり…

 

 

苦労した。

 

 

 

 

 

そんななか、隣で恋人が顔をのぞかせて

 

私をまじまじと見つめることがあったので

 

 

「歯に青のりでもついてますか」と問うと

 

 

「いいえ、ずっと見ていても飽きない顔立ちをされているので、つい」

 

 

といたずらな顔をされた。

 

 

 

 

「失礼なひとですナ」

 

 

「わたしは、あなたの細い目も、大きなお鼻も、見ていていとおしくなるんですよ」

 

 

「私の顔面、あなたの好み(タイプ)ではなかろう」

 

 

「ひとの好みなんてものはアテになりませんね」

 

 

 

 

 

生きているうちに相手の、美しさ、あいらしさ、ゆたかさを見つけられるかが大切である。

 

そういう考えが伴侶や恋人を幸せにする。

 

 

 

 

あなたの一重まぶたに、人工的な二重幅をつくって

 

君の瞳にカンパイ、と恋人に言われたところで

 

その日の酒が美味いはずがなかろう。

 

 

 

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